むし歯にならない生活を送るには
お子様のむし歯予防にはご家族の協力が不可欠です。むし歯の原因菌であるStreptococcus mutansはご家族からの感染によるものが主な原因と言われ、歯の形態、唾液の性状など、むし歯に直接関連する因子はご家族からの遺伝によるものです。お子様のむし歯予防に対して、ご家族の方がむし歯予防の正しい知識を持ち、実践することがとても重要です。
そこで、むし歯にならないようにするためには、どうすればいいと思いますか?
以下3つの知識を持ち、実践することがむし歯予防につながります。
ブラッシングについて
食後やおやつの後は、歯を磨く習慣をつけましょう
お口の中に残った食べかすが、むし歯菌のエサになるので、できるだけお口の中を綺麗にすることが大切です。お出かけや保育機関、学校などすぐにブラッシングできない場合は、水でゆすぐだけでも効果的です。
また、ブラッシングの際は必ずご家族が仕上げ磨きをしましょう。毎食後が難しい場合でも、夕食後や就寝前の1日一回は必ず仕上げ磨きをする習慣をつけましょう。
乳歯の時期は、むし歯になりやすいので要注意
乳歯の時期は、奥歯の咬み合わせの溝、上の前歯が特にむし歯になりやすいので要注意です。
まだお子様が小さい場合、ブラッシングを始める時期としては、乳歯が生え始める8ヶ月頃が目安です。初めのうちは最初のうちはお口の中に物が入ることになれてもらうため、離乳食を始めたあたりからガーゼ磨きなどを行なっていただき、上の乳歯が生えてきたら徐々にシリコンブラシや歯ブラシに慣れさせましょう。前歯だけの時期はそこまで汚れがたまることもないので、少しずつでも構いません。奥歯が生えてくる1歳6ヶ月頃にはブラッシングの習慣ができることを目指しましょう。
フッ素について
フッ素がむし歯予防に効果があることはご存知の方も多いと思います。
ご家庭で利用できる商品としてフッ素配合と記載された歯磨き粉や洗口剤も手軽に入手可能です。
フッ素についての詳細は
フッ化物洗口 | フッ化物を溶かした液で、口腔内をゆすぐ方法です。これによりフッ素イオンを隅々まで行き渡らせます。 |
フッ素入り歯磨き粉 | 綺麗に歯磨きをした後、歯面にフッ素を塗るつもりで歯磨き粉を使用する方法です。 |
またクリニックで行うものとしてフッ素塗布があります。これは歯科医師や歯科衛生士などの専門家が直接行うフッ素応用法です。3~4月に一度行うことで高いむし歯予防効果が得られます。
生活習慣について
お口の中は通常、pH6.8~7.0の中性の状態です。これが、食後、おやつの後、甘い飲み物を飲んだ後などは、口腔内のむし歯菌が糖分を栄養として活動し始めます。この働きにより、お口の中が酸性の状態に傾き、pH5.5を下回ると歯の表面のエナメル質が溶け出します。なるべく酸性の状態である時間を短くすることによりむし歯を予防することができます。
- 間食の回数を減らす(時間を決める)
- 粘り気が強く、口の中に残りやすい食品を避ける
- ダラダラと飲食しない
- 必要時以外にスポーツ飲料や乳酸飲料を摂取しない(甘い飲み物をなるべく摂らない)
以上に気をつけていただければと思います。
また、乳幼児の場合、乳前歯の生えてくるタイミングの生後6ヶ月頃までに夜間授乳を終えることと、1歳6ヶ月までには哺乳瓶の使用をやめることが望ましいです。ミルクは特に糖分が多く含まれておりむし歯の原因になりやすいため、注意が必要です。