治癒の評価
治癒の評価について
治癒の評価は症状の有無や、排膿の有無などで判断しますが、レントゲンで治ったかどうかは半年以上経たないと判断できません。感染によって溶けてしまった骨が回復してくるまで時間がかかるからです。そのため、根の治療が終わってすぐにレントゲンを撮影してみても、術前と大きく病巣のうつり方が異なる事はありません。
予後は一年ごとにレントゲンで撮影し確認するのが望ましいでしょう。
(1)レントゲン的に良好(術後1年程度で撮影)
- 正常から1m以内の歯根膜腔の拡大
- 透過像の消失
- 正常な歯槽硬線
- 歯根吸収が認められない
(2)レントゲンで疑問(術後1年程度で撮影)
- 2mm以内の歯根膜腔の拡大
- 術前と同程度の透過度、あるいは微かに改善されている
- 異常な歯槽硬線の肥厚
- 歯根吸収の進行の兆候
(3) レントゲンで許容できない(術後1年程度で撮影)
- 2mm以上の歯根膜腔の拡大
- 根尖部透過度の増大
- 歯槽硬線の回復の欠如
- 歯根吸収が確認できる
(4)現実には・・・・・
レントゲンで透過像を定量的に判断することは難しく、いかなる場合でも再発する可能性があります。また根管治療終了後、長期間治療を中断して、治癒を確認してから補綴することは現実には難しく、臨床においてはレントゲンでの予後を確認しないままかぶせもの等を作る事が一般的です。